27 塩と砂糖とお手入れと。

こんにちは。料理人の佳子です。
昼の日差しは明るくて強くなってきたのに、あおぞらから帰宅する夜中には肌寒い。例年より寒暖差が強いように思いますが、みなさま、お健やかにお過ごしですか。

今日は調味料の話です。
塩と砂糖って、いろいろな料理に使う、ごくごく基本の調味料ですね。
あおぞらの厨房では、グリルの横に塩と砂糖用の大きな調味料入れ、客席前の調理スペースには小さな調味料入れを置いています。
塩と砂糖は、特に冷蔵庫に入れることもなく、室内に出したままですが、特にグリル横の調味料の方が変化しやすいのです。
塩は鍋の湯気などから湿気を吸い、砂糖はグリルから伝わる火力の影響で乾燥する。その結果、塩はダマになり、砂糖はゴワゴワに固まってしまう。
こんなふうになっちゃうんだな、と、実は料理人になってから気づきました。

そもそも塩は、調味料入れに入れる前に、フライパンで炒って水分を飛ばしています。それでも、グリル周りには蒸気がたくさん出るためか、調味料入れの中で湿気を吸ってきます。それがわかると、また火をいれます。
塩はさらさらであることがベスト。指でつまんで調味をする時に、サラサラな状態と、ダマになっている状態では、塩の重量が変わり、味に影響があるからです。

一方の砂糖は、乾燥するとゴワゴワになって、スプーンでも取りにくくなるほど固まってしまいます。グリルの熱気で乾燥してしまうのですね。こちらは、塩と違って湿度を与えないといけません。
キッチンペーパーに水分を含ませて、しばらく砂糖に被せておくと、しっとりとやわらかくなります。
カサカサからしっとりへ…。まるで熟年女子のパック後のお肌のようで、その変化していく砂糖は、ちょっと色っぽさすら醸し出しています。

かたや乾燥させる。かたや乾燥させない。同じ調味料でも、塩と砂糖では、手入れの仕方が逆ってことですね。
お客さまの流れが切れた時とか、グリルを掃除するついでに、ちゃちゃっと手入れをしています。

最近、あおぞらのブーム(?)は、「セロリ塩」。セロリの葉をきれいにあらって水分をよく拭き取った後、オーブンで乾燥させます。100度で20分ほどでしょうか。それをバリバリと砕き、塩とまぜます。
香り豊かなハーブソルトが完成。フライドポテトにぴったりの塩になりました。食材の無駄を省く、ゴミを排出しない、小さなSDG’sの一つでもあります。
ご来店の折、お試しくださいね。

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