こんにちは、料理人の佳子です。
今日は天皇誕生日。天皇誕生日が4月だった時代は、はるか昔になったけれど、12月だった時代は割と最近のため、2月23日が天皇陛下のお誕生日だという認識がまだ薄くありませんか?
食堂あおぞらは、祝日を定休日としているため、今月2回目の祝日休暇をいただいています。
が、店内の追加工事として、かばんをかける足元のフック設置、洗面台下のすきま風防止の作業をしているので、私のみ出勤しています。工事の進捗を横目で見つつ、明日のために、料理の仕込みや準備をしています。
まずは、「おから」の材料としてにんじんときくらげ、青ネギを切りました。明朝、ご近所の「真ちゃん豆腐」さんからおからを仕入れ、鶏肉とごぼうと加えて仕上げます。真ちゃん豆腐さんの豆腐製品、美味しいです。星をとった某飲食店も、ここの豆腐を仕入れてるらしい(その噂が真実かどうか、裏取りしてませんが)。
明日仕込むミートソースのために、玉ねぎ、にんじん、セロリをシズレ(=みじん切り)しました。ニンニクとともに、これらの野菜を炒めてソフリット(香味野菜のベース)をつくり、お肉やトマト、赤ワインと煮込みます。ミートソースは、サルサ・ボロネーゼ、ラグー・ボロネーゼとも言われ、食堂あおぞらでは、ソースの上にマッシュポテトを乗せてオーブンで焼き、「シェパーズ・パイ」に仕上げます。
耐熱ガラスのお皿にぐつぐつ煮えているのをお出しすると、「うわっ」と必ず声が上がります。先日も、ご家族4人連れていらした方にお出したら、小学生の娘さんたちがアツアツを召し上がりました。とてもお行儀がよい姉妹で、ご両親の教育の賜物だなぁと感心して拝見しました。
ソースに漬け込む過程が必要な「鶏肉とエビのサテ」、「うずらのオセロ」は、それぞれ材料を下ごしらえして漬け込みました。
久しぶりに「ひたし豆」を作ろうと思い、岩手の青大豆をたっぷりの水に一晩をつけます。ひたし豆って、東北の料理のため、関西ではなじみがありません。先日、「懐かしいわ、私、福島出身なの」とお客さまがおっしゃって召し上がりました。この味でいいですか?と尋ねると、こくり、とうなづかれました。よかったわ、故郷を思い出していただけて。お正月には、かずのこと一緒に作るごちそうになるんですってね。
前日にちょこっとやっておくと、翌日の仕込みがかなり楽になります。
今や世の中の目標はSDG’sの実現です。とはいっても、あおぞらのように小さな飲食店にとって何ができるんだろう、と常々思います。17の目標のうち12番目の「つくる責任つかう責任」に小さな貢献ができないか。せめて食材の廃棄をできるだけ少なくする方法を実施したいのですが、なんせ「まん延防止等重点措置」のもとで、お客さまの来店数は少なくなったり急に増えたりとまったく予測不能で、お店の営業経営はなかなか難しい局面にあります。
せめて、材料を使い切ろうと思って、今日は以下の下ごしらえをしました。
まず、スープづくり。料理の際に出た野菜の皮や茎、きれはしを集めておき、昆布を追加し、コトコト煮ます。野菜の甘さが引き出され、滋味深いスープベースになります。なんとも素朴なあたたかい風味なんですよ。
明日はこのスープと、冷蔵庫の中で熟成させている「塩豚」を使って、野菜の煮込みをつくろうかな。塩豚、今、あおぞらのイチオシの素材なんです!これから塩豚のメニューのバリエーションを増やしていきます。
「鶏油」もつくりました。鶏肉の身から引き剥がした皮を、フライパンで炙り、じわじわと油を出します。生姜やネギもともに入れて臭みを消します。とうもろこしの卵とじスープを作ったら、最後に鶏油をちょろり、とかけると、ぐん!と風味が増します。
食堂あおぞらのコンセプトは、うまみと香りですからね。
真冬の間は、粕汁をこしらえて召し上がっていただきましたが、いまや梅が咲き誇り、春が間近に。粕汁の季節も、そろそろ終わろうとしていますね。
とりあえず今日のしごとは、ここまで。
ムスタファ号(愛用している青い自転車)で帰宅し、その後、立川談春独演会に向かいます。