09 お味噌の故郷、信州へ。 「すや亀本店」さんを訪ねました(1)

こんにちは。料理人の佳子です。
飲食店は、生産をしている人たちと生活者のみなさんの中間地点にいる存在。単に食材を仕入れて調理してお出しするだけでなく、生産している方の想いを聞いては伝える役目もしたいと考えています。

そこで、食堂あおぞらとおつきあいのある生産者さんを訪問して報告を届けることにしました。
第1回は、お味噌の本場、信州は長野市にある「すや亀本店」さん訪問記。
2回にわけて報告します。

最初にお出しする「おつきだし」は、お客さまと飲食店のファーストコンタクト。食堂あおぞらは、おつきだしの一つに「そば味噌きゅうり」をラインナップしています。飾り切りをしたきゅうりにお味噌をつけた1品です。

これ、人気なんです。「ほれ、お味噌のアレ、だして」と初っ端から注文されるご常連さま、「この味噌、いつまでも食べ続けられますね」と一口でファンになられた人も。
きゅうりの瑞々しさと、お味噌のまったり感の出会いが持ち味です。

このお味噌を、すや亀本店さん(有限会社酢屋亀本店 長野市西後町625 青木茂人社長)から仕入れています。
信州味噌の中では甘めのすや亀さんの「門前みそ」の中に、そばの味と牛蒡が練り込まれたのが「そばみそ」。そばの実のぷちぷち感と、ごぼうのコクが効いてます。

ゴールデンウイークに訪ねた長野市は、折しも善光寺さんの7年に一度の、絶対秘仏である御本尊の御代わり「前立本尊」(鎌倉時代・重要文化財)を本堂にお迎えして行う「ご開帳」で賑わっています。私と良夫マスターは「味噌に引かれて」向かいました。

JR長野駅からゆっくり歩いて15分、善光寺へ向かう途中に中央通りの問御所町の交差点を左折すると、すや亀本店さんがあります。創業は日露戦争の2年前、1902(明治35)年2月、今年120年を迎える老舗です。
創業者の亀吉さんが酢屋さんで修行をしていた後に独立開業をしたお店で、酢屋亀本店という名前になり、会社のロゴも、かわいい亀マーク。
「堂々とのびやかに、また、亀の歩みのごとく確実に発展することを願って」亀をデザイン化してシンボルマークにしたんだそうですよ。
現在の本店を建築したのは、1911(明治44)年で、当時の写真が飾ってありましたが、荷をひいているのが馬でした。牛に引かれた、ではなく馬が引いていました。

<第2回に続く>

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