17 苦い話と甘い話。

こんにちは、料理人の佳子です。
朝夕、空が高くなってきました。
今日もあおぞら、と呟く日が増えてきたのは嬉しい限りです。

が、が、が…。
食堂殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の3日も降ればいい。
先週は、そんな日々でした。

月曜日には、もうコロナ禍は終わったのかしらと思えるほどの朗らかな店内に。
老若男女のお客様の和気あいあいとした様子は、飲食店の醍醐味です。
火曜、水曜の定休日を終え、さあ後半がんばるぜ!と発奮したものの、木曜、金曜、土曜と午後から雨や雷の連続。
台風ではないのですが、不安定な天候が続きます。
大阪府の危機管理室から届く、南大阪エリアの避難所開設のメールが、のべ40通を超えました。
そうなると、人通りも、お客様の姿も消えます。
がら〜ん、し〜ん、どよよ〜ん、じゃぶじゃぶ、ピカピカ。
で、食堂殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の3日も降ればいいと、都々逸を捻る羽目に。

日曜日に、やっとピーカンな天気になり、ご予約のお客様やふらりと立ち寄ってくださった新規のお客様がいらして、気分を立て直しました。
水商売とはよく言ったもので、流れる水のように安定しないビジネス。
だけど、お天気だって、コロナ禍だって、どこの店にも同じ条件なのだから、あとは、どう自分の気持ちを組み替えるかなんですが、まだまだ修行が足りんのう。

落ち込んだ3日間を振り返って、はっと気づきました。
あおぞらにいらした方はおわかりになると思うのですが、私、黒いベレー帽を被っており、額の右上にAのようなデザインのピンバッジをつけています。
「あ、スタートレックの艦隊マークをつけてる!」と気づいたお客様はこれまでにお二人。
カーク船長やスポック副長と同様、お客さまとお店の長寿と繁栄を願って、かぶっているわけです。
このピンバッジの鋲の部分が壊れて、この木金土は、ベレー帽から外していたのです。
その間、食堂殺すにゃ的状況だったわけで。
日曜日から修理したバッジを帽子につけたとたん、お客さま来訪!

む、む、む、このせいだったか(笑。
苦い日々には永久に別れを告げたいと思った週末でした。

最近、あおぞらには、女性のお客様が多くいらっしゃします。
たいていの方が「ここなら一人でも安心して来られるから」とおっしゃって、食事やドリンクを楽しんでいらっしゃいます。

それを見るたび、アレを企画しなくちゃいけないんだよな、と思います。
アレ…。
甘味、スイーツ、デザートでございます
多くの女性にとっての「別腹」を、当方、今まで力を入れてきませんでした。
時々、フルーツや干菓子、アイスクリームをお出ししたのですが、なんせ料理人の私が甘味オンチ。
そうも言ってはおられない苦い状況に今、陥っています。
「○○円の予算で、お任せでつくってください。ただし、デザートを必須」という予約が3件続いて、もう逃げてはおられなくなりました。

ともかく苦手なので、まずは「素朴な甘味」からスタートします。
自家製の「ラムレーズン」「ブルーベリーソース」は常備しているので、これをチーズやヨーグルトにかけたり、冷凍したフルーツを加工したり、白木耳や蓮の実、クコの黒蜜煮にしたり。
近々、アイスクリームにも挑む予定。

甘〜い話ですが、私にとっては苦〜い修行になるかも。
ともかく、お客さまとお店の長寿と繁栄のため、船長はワープワンで発進します。

2 Replies to “17 苦い話と甘い話。”

  1. 田村ひろ子

    佳子ちゃんの「苦い話と甘い話」なるほど、そうなのね!!と頷きながら読みました。毎回『佳子ちゃんの声』が聞こえて、語り掛けてくれます・・・・嬉しい事です。『スタートレックの艦隊マーク』の威力にビックリ((-_-)/~~~ピシー!ピシー!)です。修理したバッジ付き黒いベレー帽が、閉店後、心地よく休める『居場所』を作って大切にしましょう。もちろん、佳子ちゃんが心地よく過ごせる『居場所』も大切にね!

  2. 鶴見佳子

    ひろ子さん、いつも温かいメッセージありがとうございます。ちょっと今、働き方改革の草案をつくっているところです。朗らかに働いていけるよう、知恵を絞ります。落ち着いたらいらしてくださいね!

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