こんにちは、料理人の佳子です。2021年も押しせまってきました。 食堂あおぞらは大晦日まで営業するので、あと6日、2021年を楽しみます。
今までたくさんのお客さまが来店してくださいました。 お食事の間にお話しするうちに、どこにお住まいかとか、年齢はおいくつとか、お名前は何かとか、少しずつ教えていただけます。一歩一歩お客さまに近づいている感じがして、うれしいです。
オープン以来、最高齢のお客さまは男性88歳、女性87歳。男性はご近所にお住まいの方、女性は良夫マスターの高校の先輩です。お酒を召して、気持ちよさそうなお客さまを帰路に送り出すと、ほっとします。 そもそも健康でいらっしゃるから、お料理もお酒も楽しめるし、新しい店をのぞいてみようという気力も湧くものなんでしょうね。私自身も、お料理を長く提供できるよう、健康でい続けなくちゃ、と、人生の先輩たちを見ていて思います。
最若手のお客さまということでは、先日まではMくんでした。現役の高校で、午後4時ごろ飛び込んでこられました。「学生定食ありますか?」「食堂と書いてあったので、勇気を振り絞って入ってみました!」。 ん?学生定食? 昭和町は学生の多い街なので、学生さん向けの定食メニューがある店が少なくないとのこと。食堂あおぞらは、学生さんを想定していなかったので、ドギマギしたのですが、空腹のあまり倒れそうになっているMくんに、ともかく鞍馬ごはん(じゃこの鞍馬煮を乗せたごはん)、おつゆ、おから、肉団子。香の物をお出しすると、パクパクパクパク、ごはんを2杯、お水を3杯かき込んであっという間に完食。その食べっぷりのいいこと。若い男の子の空腹を満たそうとするパワーってスゴイですね。 「学校の食堂の味には飽きちゃったし、丼物など決まりきったものしかないんだ」「部活の途中で、また学校に戻るよ」などと、おしゃべりして去っていきました。薫風のようなお客さまでした。
12月の寒い日、前の道を歩いていた小さな女の子が「食堂あおぞら」のカウンターに飾ってある人形(写真)を見つけ、「あ、お人形さん!」と玄関脇で叫んでいるのが聞こえました。玄関扉をあけて、「お人形見る?」というと、中に入ってきます。小さな弟(妹かも)をおなかにかかえたお母さんが、「あ、ここランチやってるのね、ここで食べていこうか」ということに相成りました。 そう、土曜日と日曜日はランチを12時からご提供しているんです。
お母さん用に大きな茶碗、娘さん用に小さなお茶碗、まだお箸は上手に使えないけど、スプーンを渡すと、ごはんに鞍馬煮をかけて元気よく食べています。パリパリの和風春巻も、甘酸っぱいゆりねの梅肉和えもペロリ。3歳で、ゆりね、しかも梅肉和えって、すばらしくないですか? 「うちの子、和食が好きなんです。ハンバーグなんか作っても食べてくれなくて」とお母さん。「全部ごはん食べたら、お人形をあげるよ」と良夫マスターが言ったのをしっかり覚えていて、「食べたよ!」。 コルク製のサンタ(ブログ01で紹介したスパークリングワインのコルク栓で作った人形)を進呈しました。
お名前はムッちゃん、お年は3歳。お客さまの最若手記録を更新。この記録は、まだ破られておりません。