05 「東大」出身ですねん。

阿倍野区民ホールから着飾ったピカピカの成人たちが出てきました。成人式の記念式典が行われた模様です。私にも20歳の時がありましたが、その41年後に料理人になるとは夢にも思っていませんでしたなぁ。こんにちは、料理人の佳子です。

食堂あおぞらは1月7日から、2022年の営業を始めました。といっても、3日働いたら定休日で3連休に。確定申告の準備など、溜まっていたデスクワークに手をつけ始めました。その一つが母校への報告。実はまだ、開業を知らせていなかったんです。

母校は、大阪市阿倍野区にある辻調理師専門学校(2020年調理師本科キャリアクラス卒業)。14万5000人以上の卒業生を送り出し、そのうちオーナーシェフやオーナーパティシエを務める人が2800人以上いるんだそうです。
料理界で石を投げれば、辻出身者に当たる? そういっても過言ではないかも。実際に、食堂あおぞらに来ていただいたお客さまのうち、4人が卒業生、2人が現役の学生です。
〝料理界の東大の2800人の片隅に入りました〟と報告するのがこっ恥ずかしい。というか、昨年のグランドオープンの時点で、母校に報告する自信がなかったのが正直なところでした。
それでも、いつかは言わんといかん。意を決して担任のH先生、学科長でいらしたK先生、そして同窓会事務局に、報告を兼ねたお手紙やメールを送りました。

恩師や母校って、ありがたいもんですね。すぐ電話やメールが届き、「この時期に開業って大変やろ」と気遣っていただきました。同窓会HPでは、先輩たちのお店情報などを検索できるシステムが付いています。どんな情報を送ったらいいですのか?と連絡をすると、丁寧に対応し、あっという間に掲載してくれました。
は、早い、仕事が早すぎる。反応や対応の速さは、職業人としての出来と直結してますよねぇ。写真は、同窓生しか見られないネットの一部です(本来は非公開)。

さらに同窓会事務局からは「担任の先生にも連絡しましたか?喜んでくれますよ」と。
とっくの昔に還暦すぎてんのに、すぐに報告できなかったほどの弱腰だったのに、いつまでたっても学生は学生として温かく扱われるんですね。
実は、在籍時代に使っていた調理器具を、開業後も使いたいと思って堺の包丁屋さんに連絡をすると、「卒業生にも、在学生と同じ値段で売ってやってくださいと学校から言われていますから」と、学生価格で販売してくれました。そこでも、いつまでたっても学生は学生なんだなぁ、あったかい学校だなぁと思いました。

今まで卒業してきた学校はたくさんありますが、学んだことと働くことのジャンルが一致しているのは辻調だけ。それが専門学校のありようなのかもしれません。
学生と出身校という関係以上に、同じ業界でともに切磋琢磨したり助け合ったりしていこうぜ、という連帯感を感じます。
実を言うと、私自身は組織に対して、愛校心や帰属意識をあまり強くもっているタイプではないのですが、同窓会ネットに掲載されたからには、これからは、あんまり恥ずかしいこともできないわ〜と思った次第。
それが東大の威力というか魅力というか、ね。

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