06 創業の精神を忘れるなとケツをたたくの巻。

食堂あおぞらをグランドオープンしてから3か月経ちました。あっという間の時間の経過に驚いている料理人の佳子です、こんにちは。
緊急事態宣言解除とともに開店し、「幸先いいじゃないですか」と言われたのもつかのま、新型コロナウィルスによる感染拡大のため1月27日から大阪府でも「まん延防止等重点措置」が始まりました。

食堂あおぞらも時短営業をしていて、平日は15時から21時まで、土日は12時から20時まで。それぞれ閉店30分前にアルコール類の提供を終了します。
先日も「今から5分で行きますから待ってて!」と電話をいただき、8時20分に駆け込んでこられた常連さんのカップル。「おいしい、おいしい」とおっしゃりながら、大変な勢いで料理とドリンクを平らげられ、怒涛のスピードでお店を後になさいました。
もっとゆっくり召し上がっていただきたいのに…。なのに帰り際に「がんばってね。きっとここは予約のとれないお店になりますよ」と、うれしいことをおっしゃってくださいました。涙、チョチョ切れました〜。

「お客さまは神さまです」という言葉があります。昭和の歌手、三波春夫さんのキャッチフレーズでしたね。私は今、お客さまは神さまだという中身を、こう考えています。
お客さまとは、売り上げ(お金)をくださる存在なのではなく、私に「厨房で働くちから」をくださる存在なのだ、と。
しごとをつづけよ、と言ってくださるのが神さま。
そのうち行きますねと言ってくれたけれど、この3カ月ご来店していただけなかった知人より、実際に来てくださる目の前のお客さまこそが、私に働きつづけるちからを与えてくださるのだと思っています。

それにしても、近隣を通行する人が目に見えて減ってきました。周囲の飲食店の多くは、まん防措置の最初から休業しているところが少なくありません。あおぞらはまだ飲食店1年生なので、とりあえず制限営業の条件を守りながら店の運営を続けることにしました。
ただ、夜9時に閉店して、掃除をしてムスタファ号(青い自転車)で帰るころには、本当に街は真っ暗。飲食店の看板が瞬かない街って、こんなに暗くなるのかしら。気分は、めくるめく沈んでいきます。
そんな時は、食堂あおぞらに来てくださるごお客さまを思い出します。その中には、ご近所のシニアさんがいらっしゃいます。年齢がわかっているだけでも80代が2人、70代が2人、みなさん歩いたり自転車に乗ったりして、遅いお昼ご飯や早めの夕飯を食べに来られます。

前職のライターをしていた頃、80代でお弁当の配達のボランティアをしているおじいちゃんを取材したことがあります。
どうして働いているのですか?とうかがうと、「だってさ、家にいると、テレビの子守りをしながらおやつや菓子パンばかり食べていて、これではいかんと思うわけや。この弁当は、僕と同じ年代のお年寄りの家数軒に宅配するだけのボランティアなんやけど、僕も事務所で1食分、お弁当をいただいているの。それでしっかり栄養をとれるからね」
あのおじいちゃん、今も元気で旭区で暮らしておられるかしら。
そう思うと、食堂あおぞらに来られる、お一人暮らしのシニアのお客さまにも、せめて1食、しっかり栄養をとって、私とマスターとおしゃべりをして晴れやかになっておかえりくださいね、と思わずにはいられません。
また、このコロナの蔓延によって、職場環境が厳しくなり、心が折れそうな現役社会人もお一人でご飯を食べにこられます。先日もそんなおひとりさまがいらっしゃいました。
「会社で、もう明日から辞めてやる!と言いそうなぐらい、追い込まれた気持ちで帰宅してから、ここへ来たの。来てよかった。えげつない上司やそれにまつわる問題が解決できたわけじゃないけど、ここでご飯食べてたら、ちょっと気持ちが落ち着いた」。

ちょっと気分を変えてごはんを食べていただく。
自分とは違う作り方や違うお皿で夕食をとることを面白がっていただく。
昼下がりに静かにお酒を楽しみながらリラックスしていただく。
そんなことも、QOL(Quality of life)の向上につながるんじゃないかな、と制限営業下で思うことしきり。

お客さまに、あおぞらを見あげた時のような晴れやかな気持ちになって帰っていただく、明日への活力を養っていただく、それが私の創業の精神です。
そして、開店をすることではなく、75歳まで続けることが私の目標です。あと13年6カ月、お客さまをお迎えしなければなりません。
だから、これを読んでいるあなたにも、来ていただきたく。
ぜひ、食堂あおぞらへ。

ただ、今のように、お客さまの総数が減ると、処分したり廃棄したりする食材やメニューが増えてきます。食品ロス低減を目指しているのに、真反対の事態になってしまう。とても悩みます。
今後も時短営業を続けますが、措置が解除されるまでコンパクトなメニュー構成にしようと思います。
新メニューのうち人気の、鶏肉とエビのサテ(東南アジアでおなじみのピーナッツソースの串焼き)と、「シェパーズパイ」(ミートソースのマッシュドポテトを乗せてオーブンで焼くアッツアツのパイ)は続けますので、お楽しみに。
あ、サテも、シェパーズパイも、写真撮ってないや。明日、撮ろっと。
明日のしごとが一つ増えました。

3 Replies to “06 創業の精神を忘れるなとケツをたたくの巻。”

  1. 田村ひろ子

    佳子ちゃん、毎日お疲れ様!!
    今日はお休みでしたね。ゆっくりのできましたか?
    『75歳まで続けることが私の目標です。あと13年6カ月、お客さまをお迎えしなければなりません』素敵です・・・・・私はその頃九十代ですが、佳子ちゃんのお料理を戴きに行けるよう『筋トレ』に励んで参ります。新メニューの鶏肉とエビのサテ(東南アジアでおなじみのピーナッツソースの串焼き)と、「シェパーズパイ」(ミートソースのマッシュドポテトを乗せてオーブンで焼くアッツアツのパイ)が楽しみです。

    • 佳子@あおぞら

      ひろ子さん、メッセージありがとうございます。筋トレ!すばらしい。ぜひトレーニングお励みください。私もがんばります!

    • 鶴見佳子

      ひろ子さん、ありがとうございます。返信をすぐ書いたのに、反映されておりませんでした。ごめんなさい。静かな日には、キッチンを磨いたり、新しいメニューの試作をしています。また、暖かくなったら、お越しください。佳子@あおぞら

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