
こんにちは。料理人の佳子です。
夏到来。さきほど、あおぞらのメニューに「6月」と書きました。週替わりでご提供している「今週のスープ」は今、「みょうがと海藻のさっぱりスープ」です。
鰹と昆布でとった定番のお出汁に、干しエビと生姜の細切りを入れてコトコト炊き、塩と薄口醤油で味付け、隠し味は台湾の米酢です。具は、みょうが、ふのり、生わかめ。
清涼感のあるあたたかいスープですが、もう少し気温が上がってきたら、ガスパチョやビシショワーズなど冷たいスープになります。お料理は季節の移り変わりを表していますね。
さて、いまや大阪は、4月13日から始まった「大阪・関西万博」で大変な賑わいになっています。良夫マスターと私も、5月13日に初めて‘万博人’に。朝9時から夜9時まで遊んできたら体中ヘトヘトになり、数日間、疲労が残りました。
70年の大阪万博の時は、私は小学校4年生で、暑かった、列に並んだ、という思い出はありますが、疲れたという記憶はありません。その間に流れた55年の時間が、雄弁に「老化の実態」を物語っています。
私は通期券を購入して、27日には「わんぱく」(ひとりで万博に行くこと)を決行。これから月に二度は会場に出向いて、ゆっくりと万博を楽しむことにします。それが開催地に住む人の特権ですものね。その場に近いということは、本当にメリットがあるんだと実感しています。
万博に行った人からは「なんて楽しいんだ」「もう1回行く」「混みすぎててたくさん見られなかったから悔しい」「どこどこのレストランのなになにがおいしかった」など楽しい声が聞こえます。
ボランティアとして働く人も大阪にはたくさんいて、働きながら楽しむ人が、実は一番上手に万博を謳歌しているような気がします。
ボランテイアのSさんは万博会場でたくさんの人と出会い、困っている人を手助けし、情報を提供し、時には英語を駆使して働いています。ボランティアが終わると、いったんスタッフ用の出口から退場して、プライベートなチケットで再入場。たくさんの国の文化や味を堪能したり、高齢のご家族に安全に回ってもらうため、E-Mover(会場内の外周バス)を使ったり、本当に上手に万博を楽しんでいます。
食堂あおぞらでも、万博を通した交流の場が起きています。行った人も、これから行く人も、行かない人にとってさえも、万博は大きな話題の一つです。
どうやら万博は、単なるイベントや遊び回るテーマパークではなく、世界中の話題を提供してくれる「場」であり、それに関わった人に出会う「場」であり、関わり方や作り方の是非をめぐって意見を交わし合う「場」でもあるようです。
半年間という期間限定で、しかもこれから本格的になる夏の暑さや湿度に負けず、一度はいらしてみてくださいね。
写真は、竹中工務店が大阪・関西万博の休憩所として提供する仮設建築です。「植物由来の生分解性樹脂を3Dプリントしてつくった建築に、みんなでつくった種入りの紙を仕上げにはり、そこから植物が芽吹きます。使い終わったら建築は時間をかけて土に還り、最後は植物が育って森になります」だそうですよ。なかなか居心地のよい休憩所であり、最新の技術を垣間見ました。